たまに聞く親知らずの話。
親知らずとは
永久歯が生えそろったあとに
10代後半から20代前半頃に
中央から数えて8番目に生えてくる歯
大人の歯が生えそろってから
そのさらに奥に生えてくるから
斜めとか横向きになりがち。
そしてその部分が虫歯になったり
噛み合わせの邪魔になったり
よろしくないから抜く人がおおい。
抜くこと自体は1～2時間くらいで
麻酔してサクッと終わるけど
問題なのはそのあと。
痛くて何も食べられないとか
一週間も顔がはれたとか
歯茎の穴から大量出血とか。
好奇心旺盛なタイプだから
どこかで武勇伝のように感じていた。
あこがれがあった。
だけどわたしは悲しいことに
歯並びが綺麗だった。
そして親知らずが生えてくることはなかった。
ところがある日鏡を見ていたら！！
一番奥の歯茎だと思っていたところに
ほんのり白いものが！みえた！
まさかと思いながら
急いでライトで照らすと
そこには横向きの歯のようなものが！！
歯磨きは毎日するけど
歯間ブラシとかフロスは毎日しないから
全く気が付かなかった。
（歯医者さん曰く毎日、必須らしい）
歯医者で定期健診ついでに相談して
そのままレントゲンを撮った。
ほんとに真横だったね。
ちゃんと横むいてた。
このままでも害はない、
しいて言えば奥で磨きにくい、
隙間に物が詰まりやすいから
歯磨きを気をつけましょう。
なんて言われたけど。
抜歯してみたい私は。
わたし 抜いちゃダメなんですか
先生 いいですよ、気になりますか？
いつにしますか？
えー！！先生そんなあっさり！
と思ったけど
ちょっぴりうれしい気持ち
（のちに後悔することとなる）
そんなこんなで当日。
抜歯の流れをワクワクしながら聞く。
流石に歯を丸ごと綺麗にスポッと
抜くことはできないから削りつつ、
割りながら砕くのだとか。
麻酔をして機械で歯をキーンと削り
ペンチみたいなものでこまかく
パキパキ折っていくような感覚。
中盤までは順調に進んでいたんです、
問題なのは歯の根元。
ペンチでつかんで
引っこ抜こうとするのに
抜けないんだこれが。
これさえ抜ければ終わるのに。
掴んでグリグリすると動く。
ってことはもう少しで。抜けるはず。
でも全然だめ。
そんなこんなしているうちに
麻酔が切れて痛いのなんのって。
あざとか数日前の鈍い痛みのある場所を
切り開いてピンで刺すような感覚。
鋭い痛みと鈍い痛みを同時に感じた。
麻酔を追加してしばらく格闘。
いろんな向きからチャレンジするけど
グリグリするだけで抜けなくて
ひたすら痛い。
先生も汗だくだし
私は冷や汗びっしょりで。
一時間以上口を開けてるから
疲れてあごがしびれてきた。
もうあごも気力も限界だから
後日にしてくださいって
言おうかと脳裏をよぎったとき。
抜けた。
もう痛くて抜ける瞬間は
わからなかった。感じなかった。
後半の格闘している時間、
ひたすら後悔した。
ほんとにひどい目にあった。
抜いた後の歯を見たら
根元にちょっとクセがあった。
コイツのせいですんなり
抜けなかったみたい。
治るまでも痛かったしはれたし
たくさん血が出たけど
そんなことは記憶にないくらい
抜く時がひたすら痛かった。
もう二度と経験したくない。
怖いのはレントゲンを撮ったら
上にも親知らずが
横向きに生えてたってことさ。
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